第6章 故郷もいいけど
『着いたーっ!!』
夜久「おお…が元気になった…」
『夜久ちゃん先輩も今日はリエーフがいないから、いつもより元気ですね!』
夜久ちゃん先輩とはここ数日で物凄く仲良くなった。クロ君とも仲が良かった夜久ちゃん先輩は、クロ君の対処法を知ってるのか困ったことがあればすぐに助けてくれた。
そこで生まれた連帯感。
うーん、素敵だ。
「元気になったんだ。良かった」
『研磨ああ!ありがとう!!!研磨のおかげだよ』
トテトテと走ってまで来てくれた研磨が可愛いくて愛らしくて、思わず抱き締めた。すると研磨もギューっと抱きしめ返してくれる。
えへへ、嬉しいなあ。
と思ったのもつかの間、バリッと引き剥がされた。
「何やってんだ、行くぞ」
『…わかってるよ。そんな強引にしなくてもいいじゃん』
「大丈夫だよ。クロ、拗ねてるだけだから」
「研磨、適当なこと言うな」
ギスギスした空気は感じられないが、何となく居づらくなって夜久ちゃん先輩の後ろに隠れた。まあ身長がほとんど同じだから隠れたっていう表現は間違ってるのかもしれないけど。
夜久「心配すんな。あの2人が喧嘩とか見たことねえから」
『…うん』
大丈夫。
(クロ、休憩まだ?)
(まだだ。ったくしょうがねえな、荷物1こ貸せ)
(ありがと、クロ)
(おー)
(…ね?)
(はいっ!!!)