第5章 ようこそ、音駒高校排球部へ
「お前、研磨のこと好きなのか?」
『…は?』
「…は?」
酷く間抜けな声が出たと思う。それくらい自分でも驚いていた。
今、俺何て言った?
「あ、いや、その…」
『好きだよ、もちろん』
「…え」
『弟みたいで可愛いし、あたしにも心許してくれてるのが分かるからね。研磨が望むなら、あたしはできる限りの事はするつもり。クロ君も手伝ってよね!』
…ちょっと待て。…あれ?もしかして、これってよくクラスの女子が言う天然ってやつか?
好きってライクじゃなくてラブだよー!とかいう、あれか?
「…じゃあ、俺は?」
『え?好きだよ』
「…あ、そう」
なんかすっげー空回りした気分。
だけど
嬉しかった気持ちと
安心した気持ちも生まれていた。
(それ、出来たら俺にもくれよ)
(はいはい。ていうか、バレー部全員に差し入れするつもりだよ。…上手く出来たらだけど)
(不味くても俺は食う)