• テキストサイズ

いつの間にか非日常

第5章 ようこそ、音駒高校排球部へ




「お待たせ」

『ううん、お疲れ様!じゃあ行こっか』

「…」


研磨に言われた一言で、の隣を歩くのは少し勇気が必要だった。というよりも、研磨がどういう心境で見ているのかが怖かった。

悶々とマイナス思考を続けていると、いつの間にかと研磨だけが随分先を歩いていた。2人は話に夢中でこちらを振り返るどころか、気付きもしない。


俺はその瞬間、ちっぽけなプライドとか勇気とか、そういうのは全部消え去った。




「」

『何?』

「…ん。行くぞ」

『えっ?ちょ…』



俺はの手を握り歩き出した。斜め後ろで研磨が溜息をついているのが見えるけど、もう関係ねえ。俺は俺のやりたいようにやる。



『待って!ちょ、待ってよクロ君!』

「…悪い」

『もう、本当だよ。それに…』

「!?」



てっきり俺と手を繋ぐのが嫌なんだと思った。依然研磨とが手を繋いでいるのは見ていたから、俺だけ断られたんだと。

だけどはそうじゃなかった。



『引っ張られるより、こっちの方がいいでしょ?』



の手は俺の手とキュッと握り合っていた。






(…クロ、かっこいいか悪いか分からないよ)
(…うるせー)


/ 106ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp