第5章 ようこそ、音駒高校排球部へ
…ちょ、でか!!遠目じゃわからなかったけど、高い方は多分190cm越えていると思う。思わず見上げてしまった。そして長身君もじっと見てくる。
見てくるだけならいいけど、顔がだんだん近づいてくる。その差約5cm。これ以上は何かまずいと思って後退さるけど、負けじと近づいてくる。
「調子のんな」
灰羽「いたっ!」
クロ君が止めてくれたおかげでどうにか距離が出来た。叩かれた頭を抑えながらも、笑顔で挨拶してくれたのは1年の灰羽リエーフ君。
銀髪でエメラルドグリーンの瞳が特徴的だ。
灰羽「俺と同じですか?」
『何が?』
灰羽「瞳。青い」
『ああ、これね』
そういえば、研磨もクロ君もこの瞳のことについては何も言わなかった。気付いてないことはあり得ないと思うんだけど。
『お母さんのお父さん…つまりあたしのおじいちゃんがロシア人なの。だからあたしはクォーターってわけ』
研磨は興味ないのかタオルの端を摘まんだり離したりしている。その様子になんだか笑えてくる。
『灰羽君』
灰羽「リエーフでいいっすよ!」
『じゃあリエーフ、これからよろしくね!』
灰羽「もちろんです!さん!」
(さんって可愛いですよね!彼氏いるんですか?)
(口が上手いなあ。けど、彼氏はいないよ)
(…よしっ)
(何喜んでるんだよ、黒尾)