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いつの間にか非日常

第5章 ようこそ、音駒高校排球部へ



隅で眺めていると、真っ先に研磨がやって来た。その手には何も持たれていない。ギョッとした様子で研磨を迎えた。


『ちょ、研磨!?タオルとドリンクは!?』

「…あ、忘れた。けど、いいや」


トトトッとあたしの横に走ってきて、隣に座り込む研磨。自惚れだろうか、すごく研磨に好かれてるよね、あたしって。


すると研磨に向かって1枚タオルが投げられた。投げたのはクロ君だ。



「研磨、ちゃんと汗くらい拭け。風邪引くぞ」

「…ありがと、クロ」



そう言ってクロ君は今度は研磨と反対側の隣に座った。え、これってクロ君にも懐かれてる?



夜久「あの研磨が懐いてる!すげーな、さん」

海「研磨は分かるけど、なんで黒尾まで懐いてるんだよ」



坊主っぽいの人と背の低いベージュ色の短髪の人がやって来た。挨拶をすると、長身の人が3年の海信行さんで副主将、ミドルブロッカー。短髪の人が同じく3年の夜久衛輔さんでリベロ。夜久さんはあたしと同じ身長らしい。


夜久「1回俺と会ってるけど、覚えてない?」

『夜久さんと、ですか…?」

夜久「そ。さんが黒尾にメロンパン投げた時一緒にいたんだけど」



…思い出した。確かにあの時クロ君と一緒に誰かいた。まさか、あの失言を聞かれていたなんて。



『うわあああ忘れてください!今すぐ!なんなら手伝います!』

夜久「手伝うって何!?」




クロ君は相変わらずニヤニヤしながら見てる。ほんっとむかつくなあ!




『もう最低ですよねあたし!女として最低ですよね!引きますよね!』

夜久「いや、引かないよ。それに面白かったのはさんじゃなくて…」

「夜久!!!それ以上言ったらお前だけ練習10倍にすっからな!」



何をクロ君は必死になってるんだろう。まあいいや、夜久さんはどうやらあたしの味方でいてくれるらしい。



そして、2つの視線を感じたと思えば、モヒカンと長身の人がジッとこちらを見ていた。




(…研磨、クロ君。あれ、何かな)
(…気にしなくていいよ)
(すっごく気になるけど!?)
(ったく、しゃーねぇな。山本、リエーフ。来い)


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