第5章 ようこそ、音駒高校排球部へ
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マネージャーの仕事は中学も高校も変化はなく、体が覚えていたため不便なくこなした。けど中学の時3人もいたマネージャーが、今ではあたし1人に減ってしまったから、内容的にはすごくキツイ。
「、大丈夫?」
『ん、慣れれば大丈夫だよ。ありがと研磨。研磨は練習、いいの?』
「うん。ちょっと疲れたから休憩」
休憩って…いいのかなあ。まだ休憩の合図出てないけど…まあクロ君と仲良いから、研磨は特別に許されてるのかな。
「おい研磨!まだ休憩じゃねえぞ!」
…ですよね。いくら幼馴染でもそれはダメだよね。だけど研磨は動こうとしない。汗はかいてるけど息は乱してないところを見ると、まだ余裕さが感じられる。
『ほら研磨、行ってらっしゃい』
「…」
『今度研磨の好きなもの、何か持って来てあげるから』
「…アップルパイ」
へえ、研磨の好物はアップルパイか。可愛い。覚えておこう。
「の手作りね」
『はいはい。…えっ!?』
「約束。行ってくる」
研磨は少しだけ笑って練習に戻って行った。手作りとか、料理でさえあまり手伝いとかしないこのあたしが、お菓子なんか作ったことないよ!
けどあの研磨の笑顔を見たら、研磨大好きなあたしが作らないわけにはいかない。今日帰りに本屋寄って帰ろう。
「っし、10分休憩!」
休憩の合図が出たため、タオルとドリンクを持って部員の元まで向かう。…わけにもいかず、1人で全員の分を配るのは無理があるため、どん!と置いて離れたとこでその様子を見ていた。
(セルフサービスなんです)