第4章 非日常、再び
昼休み、今日はお母さんが寝坊してお弁当を用意出来なかったため、購買で買わなきゃご飯が無い。
お昼休みの購買は戦争だ。美味しいパンを買おうとたくさんの生徒がやって来る。
あたしも例外ではなく、大好きなドーナツを買おうと戦場へと足を突っ込んだ。
自分で言うと悲しくなるけど、あたしはなかなかどっしりした体型だ。BMIだと普通くらいだけど!(ここ重要!)
なのでちょっとやそっとの事では負けない自信があったんだけど、さすがに男子もいるこの中では生き残れない。流され流され、目的地にはなかなかたどり着けない。
その時。
前方から思い切り手を引っ張られ、あっという間に目的地であるドーナツコーナーまでたどり着いた。わけが分からなくて、未だに握られている手の主を見た。
『ど、うして…』
「あ?ここじゃなかったのかよ。どのパンだ?取って来てやる」
見上げた先には、黒尾先輩がいた。
(言いたい事は山ほどあるのに、言葉は何も出て来ない)