第4章 非日常、再び
あれからどうにか朝礼中、先生が話している間に課題を終わらせる事が出来た。
研磨は相変わらずゲームをしている。
すると教室の女の子達が一気に押し寄せてきた。
「「「「「!!!!」」」」」
『はいっ!?』
びっくりした。いや、隣では研磨の方がもっとびっくりしてるけど。ごめんね、研磨。
女子「アンタ、黒尾先輩と仲良いの!?」
女子「この前も一緒に話してたよね!?」
『へっ!?そんなわけないじゃん!あたしあの人苦手だし』
女子「何で!?あんなにかっこいいのに!?」
かっこいい!?黒尾先輩が!?
…まぁ顔だけ見ればかっこいいかも。身長も高いし。
あのニヤニヤ顔とトサカみたいな髪はムカつくけど。
『…まぁ確かにカッコいいけど、性格がダメ』
女子「えー!?黒尾先輩、優しくて超有名だよ!?」
『それはない!』
優しい…?ま、まぁさっき課題教えてくれたのは優しいかもしれないけど、あの人、女子高生の下着見たし。
…そう言えば、言われっぱなしだった!今度文句言わなきゃ。
『…まぁ良い人かもしれないけど、あたしの苦手なタイプだわ』
お調子者先輩と似てるし。根本的な所が。
この言葉に、女子の集団はつまんないだとか、良かっただとか様々な感情を言葉にして置いて行く。こんな置き土産、いらない。
嵐のように去って行った集団がいなくなり、隣に座っていた研磨と目が合う。研磨から見てくるなんて珍しいな。
『研磨、どうしたの?』
「あ、いや…がクロの事かっこいいとか良い人とか言うの、珍しいね」
『あー…まぁそうだとしても、本当に苦手なタイプなのよ、黒尾先輩って』
「…ふーん」
研磨は再びゲーム画面へと視線を落とした。
(がクロの事を、ね…)
(何か言った?研磨)
(なんでもない…)