第4章 非日常、再び
-研磨―
部活の時、柔軟をしているとクロがもじもじしながら近づいてきた。変なクロ。
「クロ、気持ち悪いよ」
「なっ…そんな事より、あいつ…何か言ってたか?」
「あいつ?誰」
「…クソ研磨、どうせ誰だか分かってるくせに」
そんな事言われても、本当に分からない。頭を捻っていると、クロが溜息を吐きながら答えた。
「…だよ」
「?あぁ、昼休みの事?何も言ってなかったよ」
「…マジ?」
「うん」
「…あっそ」
クロはそれ以上何も言わず、直井コーチの元まで歩いて行った。変なクロ。
けど、何も言ってなかったとはいえ、今日はも変だった。体育の時は気付かなかったけど、6時間目の数学はいつにも増してボーっとしていた。
俺は理由とか聞かなかったけど。
クロとの間に何かあったんだろう。
俺には関係ないけど。
(それでも気になるのは、どうしてだろう)