第4章 非日常、再び
ー黒尾ー
部室にスマホを忘れていたことに気付き、面倒くさいながらも体育館までの道を歩く。
するとその視線の先には、先日会ったばかりの研磨の友達がいた。そいつの手には、いつも俺たちが使っているバレーボールが収まっている。
…なんだ?
興味本位で後を着けると、そいつは…はサーブのような構えをしていた。しばらくは何かを考える素振りだったが、前方を見るとボールを高く前へ投げた。
んだよ、ジャンプサーブでもすんのか?
俺の淡い期待通り、はジャンプサーブを打った。…いや、性格には打とうとした。
『へっ!?』
靴下で滑ったのか、体制を崩しながらもなんとか手に当てた。その際に派手な下着が見えたのは不可抗力だ、俺は悪くない。
「今のはネットだな」
加えて下着の事についても口を出したが、は何も言って来なかった。不思議に思い、の元へ近づく。その間にも、少しも動かなかった。
…どっか打ったのか?
(あまりにも動かないお前が心配で)