第3章 それは友人とは言い難いもので
『…ハァっ…ここまで来れば大丈夫か』
「…ど、どうして逃げたの?」
『どうしてって…注目浴びちゃったじゃん。弧爪君、目立つの嫌いでしょ?』
「…目立つの嫌いって分かってたら、この選択は間違っていると思う。余計目立った…」
『あ、そっか!ごめん!』
さんは頭を下げてまで謝った。後先考えないタイプだな。こういう人はやっぱり苦手。
…な、はずなんだけど。
「…いいよ、怒ってない」
『ありがとう!!!』
ほら、また俺は彼女を突き放せない。
『そう言えば弧爪君、結構走ったのに息乱してないね。体力あるの?』
「…そ、そうでもないよ。1年の頃、ずっと走ってたからだと思う」
『走ってたの?えっ、弧爪君、もしかして運動部!?』
「…うん。よく言われる」
まあ俺みたいな細い奴が運動部なんて言ったら、誰でもあり得ないって思うよね。俺自身が一番驚いているから。
(もう、慣れた)