第7章 好敵手(ライバル)
音駒対烏野の戦い、ゴミ捨て場の決戦が始まった。
飛雄と日向君の変人速攻にはびっくりした。
びっくりしたと同時に、嬉しくも思った。
あの飛雄が、あの独裁者と呼ばれた飛雄が、今では日向君に合せてトスを上げているのが分かる。日向君だけでなく、烏野の人達は飛雄をきちんと認めている。
そこには確かにチームがあった。
音駒みたいにがっしりしたチームではないけど、まだまだ駆け出し、雛鳥みたいなチーム力しかないけど。
それでも確かに存在していた。
影山飛雄という男の居場所が。
「、ドリンクちょうだい」
『あ、うん…』
「…」
『ん…』
嬉しかったと同時に、少し寂しくもなった。
昔、あたしの後ろばかり歩いていた可愛い後輩が、今では違うチームの一員として自分で歩いている。
昔、あたしが助ける事が出来なかった事を、会って1か月程度の烏野の人達が簡単に成している。
「」
『ふあっ!!』
頬をグイッと引っ張られた。研磨だった。
研磨はムッとした表情を見せており、研磨によって帰ってきた意識を取り戻すと、今は練習試合真っ最中だと言う事を思いだす。
『すっ、すみません!!!』
猫又「気にしなくてもいい。…って言いてえんだが…さすがに今は試合中だ、やる気がないならコートの外に出てもらおう」
『っいえ!やります!』
「頼むぞ、マネージャーも一緒に戦ってるんだからな」
『はい!』
ダメだ、今は集中しないと。
本当はこんな心のままコートに居ちゃいけないんだけど、監督にも主将にも背中を押されている。しっかりしなきゃ。
うう
「だめ」
『…え?』
「少し外出てきなよ。今のがコートにいると、集中出来ない」
「おい、研磨…」
「クロ、今は翔陽の速攻を止めなきゃ」
夜久「研磨。だって反省してるし今は…」
「早く行きなよ、」
研磨の言葉に、何も考える事が出来なかった。
あの優しい研磨を
怒らせた。
(っ…少し出てきます)