第7章 好敵手(ライバル)
アップが始まると、お互い集中しているのが分かる。
相変わらず飛雄はバレーバカらしく、バレーをしている時はあたしなんかに目もくれずボールばかり追っているからカッコいい。
アップ中はマネージャーもコートに入りボールを運んだり、ボール出しをしたりとコートを駆け巡る。
日向「!?」
「っ」
『…え?』
研磨の呼ぶ声に反応すれば、目の前に1つのボールが向かってきている。
咄嗟に体が反応した。
手を組み、レシーブの体制を作る。
取れる。
『ぶへっ!!!』
…わけが無かった。
腕に弾かれたボールは真正面に跳ね返ることなく、あたしの右頬に跳ね返ってきた。
「「「っ!!」」」
影山「さん!」
クロ君と研磨の顔が見える。氷って叫んでるのは夜久ちゃん先輩かな。
飛雄ちゃんの心配する声も聞こえる。
あ、何かボーっとしてきた…だめ、眠いや…
『って、んなわけあるかー!!!!』
「「「「!?」」」」
『練習中断させてすみません!どうぞ続けてください!』
確かに痛かったけど、昔岩ちゃん先輩の強烈なスパイクが腰に当たった時の方が痛かった。
少しだけ脳が揺れた気もするけど。
田中「…ぎゃははは!!!顔面って!!日向と一緒じゃねぇか!」
月島「王様の先輩じゃなくて、日向の先輩なんじゃないですか?」
…ムカッ
影山「何言ってんだ月島ボゲェ!それに田中さんもさんと日向を一緒にしないでください!」
澤村「お前らヤメロ!!!とりあえずぶつけた奴誰だ!」
日向「おおお俺ですスイマセンすいませんんん!!!」
「お前か…よくもの顔にぶつけてくれたな?」
日向「ひっ!!」
「翔陽、ちゃんとに謝ってよね」
夜久「お前ら、少し冷静になれ!」
東峰「お前らも少し落ち着けよ!!」
西谷「旭さんが一番落ち着いてないッスけどね!」
菅原「皆落ち着けって!清水、手当してあげて!」
清水「うん」
「うちの大事なマネージャーだ、お前らなんかに手当されてたまるか」
田中・西谷「なんだと!?」
『うるせぇ!!!!』
((((((…え?))))))
(あ、始まった…)