第7章 好敵手(ライバル)
「」
澤村「…はっ!!!こ、こら影山!!!何やってんだ!」
クロ君の声に意識をどこかに置き去りにした烏野の主将だと思われる人が、飛雄を必死に剥がそうとする。
が、飛雄も頑なに離れようとはしない。
こうなった飛雄ちゃん、頑固だからなぁ。
もう少し時間がかかるだろうと思われていたこの状態を、クロ君が簡単に打破した。
「あのー、ウチの大事なマネージャーに変な事するのやめてもらえませんか」
澤村「すいません!ほら、影山も謝れ!」
『クロ君、大丈夫。あたしこの人の事知ってるから』
「知っててもダメだ」
影山「…あ?」
「…あ?」
『クロ君も飛雄も落ち着いて!烏野の皆さん、失礼しました。あたし、中学時代北川第一でマネージャーをしていました、です。
飛雄の先輩です』
これには烏野の皆さんはびっくりしていた。
そこに、もう1つだけ知ってる顔を見つける。
『あなたは…』
日向「えっ!おおおお俺ですか!!!」
影山「さん、日向になんて興味持たないでください」
『飛雄、そんな事言わないの。チームメイトでしょ』
影山「…ウス」
「「「「「(あ、あの影山が…素直に聞いてる!?)」」」」
なんて思ってるなんて知らずに、あたしは日向君を真っ直ぐに見る。途中日向君の顔が赤くなってきて、坊主の頭の人の後ろに隠れてしまったけど。
『覚えてないかな。一度キミに会ってるんだけど』
日向「えっ…あっ!!」
『そっか、烏野にいたんだ。研磨の事、よろしくね』
日向「あ、アス!!!」
「、時間だ。行くぞ」
『うん。じゃあね、飛雄。チームは違っても、負けないよ』
影山「…」
本当に分かりやすい子だ。飛雄はあたしが敵に回るのが嫌なんだろう。ずっと応援されていたいんだろう。
けど、そうもいかない。
あたしは音駒の1人なんだから。
「」
『分かってるよ。だけど、飛雄はセッターとして圧倒的なセンスを持ってる』
「んじゃあ天才とやらに…敗北を味わってもらうしかねえな」
クロ君の手が、大丈夫と言うみたいに頭に置かれた。
(アイツ!!さんの頭に!!!)
(影山落ち着け!!!)