第1章 一山いくらの林檎 前
気分転換に、貰ったプレゼントのサイトでも見るか。
カタカタとブランド名をキーボードで打ち込み、何度かリンクをクリック、クリック。
やっぱりスタイリッシュなブランドはサイトまでスタイリッシュなんだなぁ。完璧な奴はどこまでも完璧なのと一緒なのかしら。
あ、これも素敵。こっちも可愛い。あーもう、どれもこれも欲しくなっちゃう!
よし、次の休みに店舗に行ってみよう・・・って?
「・・・うーん!?」
とあるページであたしは唸り声を上げた。
画面左下には、いただいたプレゼントまんまのギフトセットのサムネイル。
しまった、金額とか分かっちゃう。見ない方が良かった。
「いやでもでも、見たからには気になっちゃうでしょ。」
罪悪感に後ろ髪引かれつつサムネイルをクリック。
出て来た商品の金額は・・・。
「2000円かー!」
牛尾にしては安くてびっくりだったけど。そりゃあ大学の友達だったらこれぐらいのお値段だけど。逆に払い安くてお返しにはいいんだけど。
このお値段はそれなりに品物も限られてくるわけですよ。
牛尾に2000円のネクタイ?牛尾に2000円の万年筆?
どう考えても釣り合わない。安い。安過ぎる。
「っていうか牛尾自体の価値が高過ぎんのよ!」
あたしはぐしゃぐしゃと髪をかきむしり牛尾を呪った。