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フルーツポンチ【Mr.FULLSWING!!】

第1章 一山いくらの林檎 前


あたしは牛尾からいただいたプレゼントを机に置いて、改めてニヤニヤと喜びをあらわにした。
人から誕生日を祝ってもらえる事がこんなに嬉しいなんて。プレゼントなんて全然貰った事が無いから嬉しい。しかもこんなにセンスのいい物を。
・・・あいつセンスまでいいなんて完璧過ぎだな。なんか逆にむかついてきた。


「さーて、冗談はほどほどにして。」
あたしはプレゼントを大切に箱に戻して、ここぞという時に使おうと棚に保管した。
「お返しは何にしようか。」
牛尾の誕生日はもうとっくに過ぎちゃったけど、貰ったからにはお返しをしたいよね。
金額は同じぐらいじゃないと失礼だしな。あ、牛尾の好みとか生活スタイルってどんなんだっけ?
あれやこれやと悩みながら、あたしはとりあえずネットで延々と検索をかけることにした。


よく仕事でスーツを着てるみたいだし、ネクタイとか?
いやいやあのボンボン、絶対ブランド物しか付けられないような世界で生きてるしな。
大人っぽく出来る男風に、万年筆は?
ダメだ。成人祝いに親から貰ったって持ってたっけ。
牛尾の趣味って事で、お酒とか?
いい線だと思うけど牛尾はあたしなんかよりずっとお酒に詳しいから・・・自信無いなぁ。
意外と万人受けして日常に使える、ボディーケアものとか?
あ、牛尾って手に火傷してるから迂闊にあげると肌に合わないかな。


「・・・うーん。」
プレゼントなんて習慣のないあたしに「牛尾へのプレゼント」はなかなかの難問だった。
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