第4章 1つで5桁のメロン 後
「伝わるかーーーーい!!!」
牛尾をベッドから落とさんと、いつぞや牛尾にされたように牛尾の体の下に腕を突っ込んで持ち上げた。落ちなかったけど。
「だってあんた!あの日の朝!そんなんじゃないよって言ったじゃない!」
「あぁ、あれはその・・・。」
牛尾がらしくもなく、もじもじと恥ずかしそうに俯いた。
「恥ずかしくて、つい見栄を・・・。」
「ぽっ。なんて頬を赤らめてるんじゃないわよ!」
どっきゃーん!と効果音付きで、あたしは牛尾の体を揺さぶる。
さっきまでのいいムード?そんなの知らないわよ!
牛尾の財力の搾取作戦?そんなの後々!
今2人ともすっぽんぽんだって?そんなの気にしちゃ負けよ!
ようやく「牛尾御門」という人物を知れそうなんだから、全てはそれからよ!!
「じゃあ何!?土井さんとお付き合いしたいなーって言ってたのは!?」
「僕って真剣な話をついおちゃらけて言っちゃうんだよね。」
「さっきもずっと笑ってましたもんね!もしかして前に研究トラブルで3徹したってのも嘘!?」
「あれはほら、土井さんが誘ってくれたのってあの日が初めてだっただろう?それが嬉しくって、絶対行かなきゃって。」
「何それ可愛いな!抱こうとしたのは!?」
「僕も男だから、誘惑に抗えなかった。」
牛尾があたしの手を両手で包み込む。
「・・・本当は大切にしたいんだけどね。」
急に真剣なトーンでそう言われて、あたしの頭に上っていた血が少し収まりを見せた。