第4章 1つで5桁のメロン 後
ゴムが無い。つまりは避妊が確実に出来ない。
恋人でも無い、しかもただの大学生である私達がセックスをするには、あまりにも危険な状況。
でもそれが何だって言うの。
「いいよ・・・。」
ぎゅっと抱きしめて、形の良い耳元に囁く。
「ちょうだい?」
避妊なんてどうでもいい。実は危険日だけどそんなのどうでもいい。
むしろその方が、計画的には好都合ってもんでしょう?
そんな事も越えて、心も体も牛尾が欲しくなってる、なんて事は秘密。
「いいんだね?」
牛尾の確認。恐らく最後の確認。
「・・・うん。」
笑って頷くと、牛尾も子供みたいに笑った。
そのままディープキス。牛尾にとってキスとはディープキスらしい。洋画っぽくてある意味牛尾らしい。
顔が離れると足を持ち上げられた。下っ腹に熱が当たる。2人ともさすがに静かになった。
牛尾とヤっちゃうんだー・・・。
あたしはどこかぼんやりとした心地だった。
とんでもない事をしでかそうというのに、頭は驚くほど凪いでいる。
何かリミッターでも働いているのだろうか?それとも現実感が無い?危機感が無い?
・・・何でもいい。もうどうにでもなれ。
あたしなんか、今更どうなったっていいんだから。