第4章 1つで5桁のメロン 後
「・・・どうしたの?」
牛尾が無邪気に小首をかしげて尋ねて来る。
あたしはと言うと、声にならない声で混乱の奇声を上げていた。
えっ!?だって、えっ!?
あたしは普通に触れるだけの、いわゆるフレンチキスをしようとしていたのに!!
牛尾さん、いきなり舌をねじ込んできましたよ!?
しょっぱなからディープキスですか!?えっ!?こういうのって徐々にムードを作っていくものじゃないんですかね!?
うわああああ!!!あたしの唇!!!牛尾の唾液で濡れてる!!濡れちゃってるよおおおお!!!
少しばかり深呼吸をする。変な汗が出そうだ。まぁベッドシーンで汗はエロいけれども。ん?違うか。
「・・・よしっ。」
決意を新たに髪をかきあげて、牛尾に顔を近づける。今度は少し口を開き気味に。
「仕切り直しね。」
そうだ、このメロンを食い散らかしてやるんだから。
「んっ・・・。」
今度こそあたし達はしっかりと、この状況に似つかわしい深いキスを交わした。