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フルーツポンチ【Mr.FULLSWING!!】

第4章 1つで5桁のメロン 後


「ふふっ。」
牛尾の様子が面白くて笑いが漏れた。
牛尾は顔を上げてあたしを見るけど、あたしはそれを無視して立ち上がる。
綺麗に整えられたベッドに転がり込み、布団をめくってあたしの隣をぽんぽん叩いた。
「おいで?」
本来は男がやって女がキュンとするような言動。でも立場が逆転してもきっとされた側の反応は変わらない。
牛尾は少し固まって、でも笑顔を見せてあたしの横にやって来た。ほらね?きっとキュンとしてる。
2人分の重みでベッドが軋んだ。もぞもぞと動いて、牛尾の顔まであと20センチ。
不思議とドキドキしなかった。あたしがリードしなきゃ、なんて気を張ってるのかしらね?

牛尾の頭を撫でた。傷みなんて言葉とは無縁そうな手触りのいい髪。あぁ、やっぱり男女逆転してる?
牛尾は以前として妙な半笑いを続け、あたしに成されるがままだった。もうちょっとしっかりしたらどう?なんて言うのは酷かな。
「大丈夫だよ。」
あたしは母親のように牛尾を胸元に抱き寄せる。
「あははっ!ありがとう。」
牛尾は嬉しそうにあたしの背中に腕を回し、素直に顔を埋めた。


・・・あの日みたいだ。
でも違うのは、あたしが落ち着いていて、牛尾が戸惑っている事。
そしてあの日の牛尾はあたしに善行をしたってのに、あたしは牛尾に欲をぶつけようとしている。


この甘い、甘い甘い高級メロンを、食い散らかしてしまおうとしている。
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