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フルーツポンチ【Mr.FULLSWING!!】

第3章 1つで5桁のメロン 前


この家はモデルルームでしょうか?それともホテルでしょうか?あぁもしかしてスタジオのセット?
床も机周りもベッドも完璧。流しにコップがあるとか、そんな生活感も皆無。
これでなんで散らかってると言えるのか。あぁ、まさか椅子にかかってる上着の事を言ってる?あんなの散らかってるに入らないわよ。ふざけんな。
「超綺麗じゃん。」
「そうかい?まぁ普段からなるべく整頓するようには心掛けてるから、そのおかげかな。」
ふふっと笑う牛尾は、作業用の机に鞄や上着を置いてクッションに腰を下ろした。
あたしもテーブルの対面に鞄を置き、以前ゴロ寝した際にお世話になったふかふかクッションをいただいて腰を下ろした。


改めて部屋を見渡す。酔っ払ってない状態で見ると、この部屋の綺麗さをさらに実感。
「それにしても綺麗な部屋ね。メイドさん雇ってるの?」
「ははっ!そんなの雇うわけないじゃないか。僕を幼い頃からお世話してくれてるじいやもここには来ないよう言ってあるよ。」
じいやなんているのかコイツ。それは初耳だ。実はメイドさんって言ったのもネタのつもりだったのに。ここ日本よ?中世ヨーロッパじゃないのよ?
牛尾はやっぱり住む世界が違う。改めて格の違いを見せつけられた。
「でもさー、この机とかカーペットだって、どう見ても壁と直角水平にぴっちり揃えられてるよね?」
本棚の本も隙間無く並べられて、床には埃1つ見当たらない。ベッドメイキングからクローゼットの中まで完璧だった。
プライベート空間に急な来客があってもこの状態ってどういう事?コイツどこまで完璧な人間なの?
・・・完璧過ぎて薄ら寒いぐらい。
「まさか牛尾って潔癖性?」
「そんな事無いよ。昔は野球で泥だらけになってたし、今も実験で手がボロボロになったりしてるさ。ただ綺麗好きではあるかもしれないね。」
なるほど、普段の行いってやつですか。それにしてもここまで綺麗なのは・・・。
「あたしだったらこれ、大掃除完了直後レベルよ。」
「またまたそんな。土井さんなんだから、女の子らしい綺麗な部屋なんだろう?」
え?何そのいじり方。あんたそんな奴だっけ?
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