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フルーツポンチ【Mr.FULLSWING!!】

第3章 1つで5桁のメロン 前


時々思う。こいつ本当は馬鹿なんじゃないのか?
それとも良い人達に囲まれすぎて、人を見る目が養われなかったんじゃないのか?
騙されてる。あんた悪い女に騙されてるよ?
あんたはあたしみたいな女と会ってちゃダメなのよ。もっといい人達と付き合いなさい。前回の事で分かったでしょう?
あたしは簡単に体を差し出せるようなだらしない女なの。能無しな上に売女なの。ビッチなの。それは牛尾だって見たはずで、消しようが無い事実。あんたその辺ちゃんと理解してる?
あたしだからお金や精液を搾り取ったりしないけどさ、これがもっと悪い女だったらどうすんの?あんた金持ちだからいつ狙われるか分かんないわよ?もうちょっと人を疑うとか、付き合う人種を選ぶとかしなさい。
大体なんでこんな面倒な女に正面から向かい合おうとしてるのよ。あたしなんか嫌いになれ。蔑め。貶せ。罵倒しろ。


・・・とか言いながら、あたしも本当は牛尾とこうやって過ごすのを、それなりに楽しみにしてたんだけどね。
牛尾の考えが分かんないとか言ってるけど、それでも牛尾が素晴らしい人間である事に代わりは無いからさ。



「あたしなんか。」
「ダメ。」
試しに言ってみた言葉は、お手に即座に反応するお利口なわんちゃん並みの瞬発力で禁止されてしまった。
なんだかそれが変に面白くて、あたし達は小さく吹き出した。
「分かったよ。もう卑下しない。」
「それはよかった。」
渋々と言った具合のあたしに、牛尾は満足そうな笑みを浮かべた。
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