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フルーツポンチ【Mr.FULLSWING!!】

第2章 一山いくらの林檎 後


「そうだ。」
牛尾の声であたしは拳を振るうのを止めた。
「プレゼント、今思い付いたよ。」
「え?な、何?」
頭がぐちゃぐちゃになっていたあたしは、上ずった声で牛尾の考えを尋ねる。

牛尾は目を閉じると、あたしの体に腕を回した。
「甘えてもいいかな?」
そう言うと牛尾は子供のようにあたしの胸元に顔を寄せた。


何故だか分からないけど、これが本当の本当に牛尾の本音である事が感じ取れた。




「・・・意外と甘えん坊なのね。」
頭を撫でてあげると、牛尾はどこか幸せそうにあたしの胸に顔を埋めた。
「これだけ素が出せるのは土井さんが初めてかも知れない。」
牛尾の言葉で胸が震えた。
牛尾の役に立ててる?あたしが初めて?嬉しい。すごく嬉しい。
「いつだって完璧で、飄々とした笑顔を浮かべてるくせに?」
なのにあたしはまたおどけちゃう。あぁ、こんな所も変えなきゃな。
「強がってるだけだよ。完璧な人間なんていないさ・・・。」

すーっ・・・。

「・・・牛尾?」
寝息らしい音が聞こえる。牛尾の顔は無防備そのものだった。

これは・・・寝落ちしてしまった、というやつですか?
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