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フルーツポンチ【Mr.FULLSWING!!】

第2章 一山いくらの林檎 後


ひとしきり笑い合って、何となく頭を撫でたり腕をさすったりして、プラトニックでハチミツみたいな甘い時間が流れて行った。
・・・これからこうやって牛尾と付き合って行く事になるのかな?牛尾と付き合う?うわぁ、恥ずかしい。

「にしても牛尾、あたしなんかで本当にいいの?」
「あたしなんか、なんて言っちゃダメだよ?」
牛尾に優しく諭されて柄にもなく照れてしまう。こうやって大切にされると、自分がいいものにでもなったようで気持ちよかった。
照れ隠しに牛尾を叩きそうになったけど寸での所で我慢出来た。偉いぞあたし。これで1つ成長だ。



さて、あたしの自分を卑下しちゃう癖を直さなければいけない事は分かった。
それにしてもあたしの疑問は答えてもらってないわけで。
「じゃあ質問を変える。なんであたしを選んだの?」
自分を卑下する癖を抜きにして客観的に見ても、あたしは牛尾と釣り合うとは思えない。能力云々もだけど、そもそもの階級が違い過ぎる。
牛尾の周りにはあたしよりステータスの高い女子がゴロゴロいる。どう考えてもあたしを選ぶのは理屈に合わない。
・・・この考え方も、牛尾から言わせたら「自分を卑下している」になるんだろうか?
でもでも、あたしが納得いかないんだから。気になるものは気になるんだ。

なんであたしを選んだの?
牛尾は真面目な表情になって瞬きを数回。長い睫毛が上下に揺れた。

「選んだって?」

え?
いやだってさっきあなた、プロポーズみたいな台詞を・・・。
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