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フルーツポンチ【Mr.FULLSWING!!】

第1章 一山いくらの林檎 前


牛尾御門。あの天下の牛尾財閥の跡取り息子。
頭脳明晰、容姿端麗、聖人君子。大学でもちょっとした有名人。
大学の研究も完璧、実家の仕事もこなしてるらしい。ホントよくやるね。尊敬するよ。
とにかく何でも出来る超人な牛尾は、素直に尊敬出来るあたしの自慢の友人だ。


牛尾とはとある理系のプロジェクトが縁で知り合った。
大学内に広くメンバー募集をかけていたプロジェクトに、何か新しい事がしたかったあたしが飛び付いたのが始まり。
しかし男ばかりで知り合いのいないコミュニティーに文系のあたしは酷く戸惑った。
そんなあたしに気さくに声をかけてくれたのが、プロジェクトの中心メンバーだった牛尾。
失礼ながら理系男子にしては爽やかで気の効く彼は、あたしがみんなと仲良くなるための足がかりになってくれた。
プロジェクト内では牛尾とは部署が違った。あたし達は週に1度のミーティングで顔を会わせば談笑する、その程度の仲だった。
外部から来た人間であるあたしを何かと気遣ってくれ、慣れない理系の用語なんかを教えてくれるいい奴。そんな印象だった。


プロジェクトが終わって半年ほど経ち、牛尾の事なんてほとんど忘れていたある日。
「久しぶり!よかったらご飯でも行かないかい?」
そんなメールを貰ってびっくりしたのがかれこれ1年前。
それから私達は月に1〜2度ご飯を食べ、いろんな事を語り合う友人になっていった。
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