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戦利品は己の手で:続

第3章 戦利品との過去はないが



「初めまして、です、以後お見知りおきを」

面倒くさそうに義務的な挨拶をするとは名刺を両手で俺に差し出してきた。

「…あ、長曾我部元親、です。」

また使ったこともないようなたどたどしい敬語を俺は使う。
するとはあの、優しい顔をした。

「変なの、この社会でやっていくには敬語なんて必須なのに」

くすっと笑っては俺から離れていき、また違うやつらの所へ混ざって行った。
正気を取り戻した俺はそこらにいた新入社員等と駄弁ることにした。




2時間が経ち、俺等は所属部署へ散らばる。
俺は同じ部署に努めることになった奴らと一緒に廊下を歩いていると後ろから誰かに肩を叩かれた。

「ッ!!」

「どーも、新入社員の長曾我部君」

「専務…!」

周りにいた先に行ってると言ってそそくさと離れて行っちまった。なんていう事だ、きっと俺は目をつけられていたんだ。入社早々猿飛に説教されてクビだ…?おいおい…冗談じゃねぇぞ

「やだなーそんな畏まんなくたっていいさ、鬼の旦那」

「…は?」

「前世の記憶、なかった?あれ、俺様の勘違い…?」

「お、おい、猿飛、お前も…?」

「あっ!よかった、…うん、あるよ」

ここにね、と猿飛は自分の頭をつついた。



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