第2章 戦利品を探して
「社長にタメ口…タメ…駄目だ…俺クビだ…」
社長挨拶が終わり、毛利と言葉を交わした後は新入社員同士の交流時間として2時間第二会議室での自由時間を設けられた。
だが俺はそれどころじゃねェ、社長にタメ口なんぞとんでもない事を初日からブチかましちまった。これは…どんな処分を受けるんだ…
「あ、あの…」
「…駄目だ…俺どうすれば…」
「こんにちはー…」
「休憩室に行きますか?」
たびたび女どもが声をかけてきたのは分かった。
それに反応できずにただ机にうなだれている俺。みっともねぇ姿だ。
「新入社員で初日から社長にタメ口、無礼極まりないのね」
「は…?」
「その阿保面をどうにかしたらどうなの?」
ザワザワとする会議室内。
俺にそうやって言葉を浴びせて来た女は見上げる俺を馬鹿にしたような顔で見ていた。
「…言い返す気力もないってところかしら」
この生意気な口調は、容姿は、間違いない、俺が間違えるはずがない。
「…?」
「…あら、私の名前を知っているのね」
毛利と同じだ、フン、と笑ったが毛利とにはまだ交流がなさそうだ。
何処か安心したが、俺を覚えていない様子のを見ていると不安に駆られるようだった。