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戦利品は己の手で:続

第2章 戦利品を探して



「おま、なんでこんなところに」

「何の話だ。貴様と我は初対面であろう、何故我の就職先をどうこう言われなければならぬ」

その他人を突き放すような話し方は紛れもなく毛利だった。コイツも転生して、同じ世に生きてるなんて。神なんてのは信じねェタチだったが…。
神がくっつけたってのか?

「そ、そうだったな、すまねぇ」

「…長曾我部よ、我をその手で殺めた後中国は如何様にしたのだ」

「如何様にって、別に酷い事はしt…え?」

「なんぞ」

何故、記憶のないはずの毛利が、中国の話だとか、殺したとか、なんで…?

「おま…毛利、まさか」

「記憶があるのが己だけだと思うな」

こっちに目だけを向けて口の端を持ち上げたのがわかった。
そうやってる間にもそのスクリーンに映し出されていたプレゼンPVは終わっていて、手元の感想欄に何も書き込めていないことにようやく気が付いた。

「やっべ、」

ここで何も書かなかったらチェックされて、意欲がないとでも思われちまう。しょっぱなからそれだけは勘弁だ…!
隣の毛利もどうせかいてねぇだろって油断していた俺が馬鹿だった。そこはきちんとしている奴だった。

「愚図め」

「チッ」

俺を嘲笑うようにしてそう言った。
前世なら完全にぶん殴ってるはずだが、なぜかその言葉に安心感を覚えた。
過去に囚われていたのはどうやら俺だけじゃあないらしいとな。




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