第11章 戦利品。
「…外は凄い雪、バイクでいくのは危ないから徒歩がいいと思うわ」
「お、おう…」
俺はひとまず出ようとしたその足を引っ込めてコートを脱ぎ、もう一度室内に戻った。
何故ここにがいる?これも夢か?ならさっきの苦いコーヒーはなんだ、あれもリアルな夢だってのか?そうなのか、そうなら俺は相当が好きだってことか。
「元親」
「お、おう?!」
「…変なの」
突然下の名前で呼ばれた、今までそんな事一度もなかったのに。
「夢、か?」
「まさか、何を言っているの?」
「いや…何でここに」
「忘れたの?馬鹿ね」
は室内の電気をつけてくれて、温かいコーヒーを淹れてくれた。やっぱり苦い、夢ってのは味を感じるものなのか?
「あなたが連れてきてくれたんじゃない。まぁ、無我夢中で来たんだし、忘れていても仕方ないのかしらね」
「つ、連れて来た?」
「そうよ」
全く覚えがない。連れて来た?何処からだ。まさか病院から連れてきちまったのか?
ってことはあれは夢じゃない。
「…なんかすまねぇ」
「謝らないで頂戴、私もコレを望んでいるのよ?」
あなたと暮らしたいの
は優しく微笑んでいってくれた。