第4章 戦利品との夏休み
「これから何処行くつもりなんだ?」
「もう家に帰るところよ。こんな大荷物じゃ動くに動けなくて」
「にしてもすげぇな…旅行の準備でもしてるンのかよ」
「まさか、旅行に行くなんてガラじゃないわ」
だがどう見てもその荷物は何処かへ遠出するために寄せ集めて来た品物たちにしかみえねェ。
「車とかで来てるのか?」
「いいえ?私、運転できないの。」
「不器用かよ」
「わっ悪かったわね」
は恥ずかしそうに顔を赤らめてそっぽを向いた。
立ち話もなんだから、ということになり近くのカフェに入ることにした。
ヤンキーと清楚女子が二人きりで大人しめなカフェに入る様子を周りがすっげぇ気にしてる様子だったが、はそんなに気にしているようには見えなかったから俺も気にしないことにした。
「はァ?まだ買うモンあるのかよ」
「私が何買おうが勝手でしょう?」
「そうだけどよ…」
もうギリギリ両手に持てるくらいなのにまだこれから回るんだと。一回家に帰って荷物を置いてもう一度この辺を回るんだという。一体買い物ってのはどんだけ恐ろしいもんなんだ?
財布から札が消えちまうだろ…
「なんなら手伝ってやんよ、いちいち家に戻るのは面倒だろ?」
「はっ?私はそれくらい平気よ」
「強がるなって、男手はあったほうがいいだろ?」
「……そこまで言うなら、頼もうかしら」
任せとけ!と自信満々に言ったのはいいが…
バイクだと限度があるのに俺はようやく気が付いた。