第1章 生還
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「ゴミが…。人間より喰種の方が上に決まってんだろうが。あぁ?」
「うっ…、ぐぁ……っ」
俺が更に首を締める力を強めると、コイツの口から涎が垂れてきた
「きったねぇな…。さっさと死ねよ」
「ご、めん…な、さい……っ」
「!!」
「それ、と…っ、ありが、と……」
「っ!!」
まただ、さっきと同じ…
死にそうで苦しいくせに、コイツは眉を中心に寄せながらも笑いやがる
(「ありがとう」だと!?ふざけんなっ!胸糞悪ぃことばっか言いやがって!!)
その瞬間、俺はコイツを壁に叩きつけながら手をパッと離した
ダンッと壁の鳴る音の後に、コイツのゲホッゲホッと噎せる音が部屋に響く
(くそッ。元人間のクズだってのに何躊躇ってんだ…。これじゃあ、まるで馬鹿姉貴と一緒じゃねぇか…)
俺は言い知れぬ感情にギリッと歯を食いしばる