第4章 求食
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『俺を喰え、友香』
咄嗟に出た言葉に、俺自身が1番驚いていた
友香の言う通り、何故俺がコイツにここまでしてやる必要がある…?
11区の喰種を狩ってコイツに喰わそうかと思ったが、アオギリ以外の喰種はもうほとんどいなくて狩ろうにも狩れねぇ
それにコイツの場合、マジで限界くるまで喰わなさそうだしな
つーか、元人間だろうが半端モノだろうが、これから“生きてく”為には嫌だろうと喰ってくしかねぇだろ
無意識じゃなく自分の意思で
そこまで考えて、俺は一つ気付いたことがあった
(……もしかして俺は、コイツに生きてて欲しい、のか……?)
この俺が元クソ人間なんかに生きてて欲しいって思ってることが信じられない、つーか信じたくない
それでもただ一つだけ、確かな思いが……
「お前はココにいろ、つっただろーが…」
「ア、ヤトくん……っ」
「だから、俺を喰え」
「嫌だよ…っ、傷付けたくないもん…っ」
せっかく俺がいつもより優しくしてやってんのに、友香はいつまでも意地を張りやがる
「じゃあ、俺にもお前を喰わせろ。これならオアイコだろーが」
「なっ……!?」
俺の発言にまたもや目を見開いている友香をぎろりと睨んだ