第1章 生還
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「ん…、あれ……?」
もう2度と目覚める筈がないと思っていたのに、私は目が覚めてしまった
「ココ、どこ…?」
辺りを見回すと、さっきの路地裏ではなく、誰かの部屋のようでベッドに寝かされていた
自分の置かれている状況にアタフタしていると、「よぉ、やっと起きたのか」と声を掛けられ、ビクッと肩を揺らす
声の方へ視線を向けると、先程の少年が立っていて…
「ココは…?」
「俺ん家」
「っ…何で…。何で殺さなかったの…?」
「あ?何で俺様がテメーのために、わざわざ死にたがってる奴殺さなきゃなんねーんだよ」
少年はお風呂上がりなのか、頭をタオルで拭きながら、面倒臭そうに言う
「っ…!」
(私が死にたがってたことバレてたんだ……)