第4章 求食
✳︎
究極の選択だけど……
飢餓状態になって無意識でアヤト君を傷付けて殺してしまうぐらいなら、人間の肉を喰べた方がまだマシだって本気で思った
なのに、私の体は人間の肉を受け付けてくれないらしい…
人間の食べ物も肉も食べられない、喰種の肉しか食べられない半喰種の“私”って一体何…?
そんなの、人間側にも喰種側にとっても私って敵な訳で…
何処にも私の居場所なんてないんじゃないのかな……?
だから、殺してって頼んだのに……
アヤト君を傷付けて殺して喰べてしまうぐらいなら殺された方がマシ、それが無理なら他の喰種を殺して喰べてしまう方がマシだから出て行くって言ったのに……
(どうして引き止めるの…?)
アヤト君は私の腕を掴み引き寄せて、まるで“何処にも行かせない”というように力強く抱き締めた
「ッ……、お願い、アヤト君離して…っ」
「俺に指図すんな」
「でも…ッ」
「黙れ…。お前がココから出て行くのは許さねぇ」
「っ……!!」
アヤト君の声がいつもより弱々しくて、少し悲しそうで、私は何も言えなくなり、気付けばまた涙が頬を伝っていた