第4章 求食
「嫌だ…ッ。私、きっとこのままじゃアヤト君を襲っちゃう…。また“誰か”に体を乗っ取られて、無意識のうちにアヤト君を殺しちゃうよ……ッ」
友香は、ヒックヒックと泣き出してしまった
「だからね、アヤト君…。やっぱり私をコロシテ…?」
そう言って微笑む友香が嫌に綺麗で、同時に怒りを覚えた
「っざけんな…。だから、何で俺がテメーの為にわざわざ殺してやんなきゃなんねーんだっつってんだろ!!」
「お願いっ‼︎ 私はアヤト君を傷付けるのも殺すのも嫌なの…っ‼︎」
「あ?俺がテメーに殺される訳ねぇだろうが!!」
「っ……もういい‼︎ だったら、ここから出て行く‼︎」
そう大声で叫んだ友香は、急に立ち上がり俺の横を擦り抜け家から出て行こうとする
「逃がすかよ…ッ!!」
俺は友香の腕を掴み、抱き寄せた
このときの俺はアオギリのことなんざ全く頭になくて、ただコイツが出て行くのを止めたいだけだった