第3章 猶予
毎回てきとーにあしらいながらも、何故か「辞めろ」とは言えず…
昔、お袋や親父、馬鹿姉貴と暮らしてた、まだ何も知らない幸せだった頃とダブる…
(チッ…。コイツと居たら俺まで平和ボケしちまう)
「アヤト君、どうかした…?」
ずっと無言のままの俺に、首を傾げながら聞いてくる友香
「んでもねぇよ…」
「そう…?でも、アヤト君、何だか考え込んでるみたいだったから…」
「うっせーな、テメーには関係ねぇだろーが!!」
思わず声を張り上げる俺に、友香はビクッと肩を揺らし、小さな声で「ごめんなさい…」と謝った
その顔は怯えてるような悲しいような顔をしている