第3章 猶予
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友香と過ごしだしてから約3週間、俺は自分でも分かるぐらい家に帰る回数が増えた
基本、他の幹部の連中と会合するため、俺は5日置きにアジトを留守にしていた
だから、前まで週に1度ぐらいしか家に帰っていなかった俺が、今では2〜3日にいっぺんは帰るようにしている
アジトにいなきゃいけねぇ5日間の間も、合間を縫って(ノロに任せたり)家に帰るようにしていた
そもそもアオギリから住処を提供してもらったのは、たまに1人になりたいからだってのに…
まあ、あの糞汚ぇアジトに居続けるのも勘弁だったってのもあるが…
(俺が家に帰ってんのは、アイツが逃げてねぇかどうか確かめてるだけだ)
そう自分に言い聞かせて、今日も俺は家へ帰る
ガチャ___
「アヤト君、おかえりなさい!」
「……ったく、うっせーな」
家の扉を開けると、いつも満面の笑みで俺を迎える友香
その笑顔を見ると、無性に心地良さを感じて…
(調子狂うな、くそッ…)