第1章 生還
「よぉ。お前か…。最近11区の“喰種”を殺してまくってんのは」
「……。」
無言で立ち上がると、私より少し背の高い少年はギロリと私を睨み付ける
「オイ、無視してんじゃねぇよ。殺されてぇのか?」
少年は怒気を含んだ声で私を威嚇する
「殺してくれるの…?」
「あぁ?」
「あなたに私が殺せるの…?」
「てめぇ…、なめんじゃねぇよ!!」
そう言って少年は私に思いっ切り回し蹴りをくらわせた
「ぐはっ…!!」
メキメキッと脇腹あたりの骨が軋む音がする
そして、蹴りの衝撃で吹っ飛んだ私を更に蹴り上げ、私は壁へ叩きつけられた
体全体に鋭い痛みが走る
(今までの喰種と比べ物にならないぐらい速い…し、強い…。これなら……)
シネルカモシレナイ