第1章 生還
グチャ グチャ__
死体を貪り喰べる音が真っ暗な路地裏に不気味に響く
(不味い…不味い…不味い……)
グチャ グチャ__
私は目の前のソレに手を伸ばして引きちぎり、肉の塊を自分の口へ押し込んだ
ゴクン___
少し噛み砕いた肉塊が喉を通って胃に流れていく…
(これでしばらくもつかな…)
ギリギリ腹が満たされる量で、やっと“自分”に感覚が戻ってきた私は“食事”を辞めた
すると、ザンッ__という音と共に誰かが私の背後に降り立つ
「!!」
急に現れた気配に驚き、慌てて後ろを振り返ると、濃紺の髪に端正な顔立ちの少年が立っていた
年齢は私と同じくらいだろうか