第2章 暗闇
あと分かったことは、私は他の喰種より再生力に優れているということ(その代わり(?)に脆い)
無抵抗で殺されようとしているのに、体についた傷はすぐに治る
だから、相手が自分を殺せないと分かったときは、すぐに逃げるようにした
無駄に殺さないために…
それでも飢餓状態で襲われると、やっぱり自分の体をコントロールできず、“誰か”に体を乗っ取られ喰種を惨殺し、気付けばその死体に手を伸ばし喰べていた
毎日毎日これの繰り返し…
「真っ暗、だな……」
いくら太陽が昇っても、私の目の前は真っ黒な暗闇が広がっているだけだった
助けてくれる人も、私を殺せる人も、誰もいない…
私は独りだ…
記憶の無いまま人間から喰種になってしまった自分も、毎日毎日襲ってくる喰種も、飢餓状態になると現れる“誰か”も、地獄のような“飢え”も、全部全部怖かった
「シニタイ……」
考えることはそればかりだった…