第2章 暗闇
それから一瞬だった
また私の腰の辺りから触手のようなモノが生え、次々と喰種を貫いていく
ズボッ__ グシャッ__
「ぎぃやぁああああ」
「コイツ強ッ…!?ぐぁああああ」
喰種の身の裂ける音と断末魔が辺りに響いた
「ウフフ、今日はあなた達で我慢してあげる」
そして“誰か”は転がっている喰種の死体に手を伸ばし喰べ始めた
グチャ グチャ__
「不ッ味いわね〜」
死体を引きちぎり、肉塊を次々と自分の口へ運んでいく
しばらくすると、だんだん自分の意識が戻ってきて体の感覚を取り戻す
「うっ…、わ…、ぅわぁあああ!!」
辺りに転がっている喰種の残骸と、自分の手に持っている肉塊を見て、一瞬で自分の状況を理解した
(わ、私…。喰べ……っ)
「嫌ぁあああああ!!」
口の中に残っている僅かな肉片、血の匂い…
それでも、“人間の食べ物”より食欲をそそられるソレに、完全に自分が“人間”じゃないことを自覚した