第2章 暗闇
「嫌だ、人間の肉なんか食べたくない…っ!!肉、肉肉肉が欲しいィィいい!ぐっ…、ぁあ」
頭を抱えて蹲る
また“誰か”に自分を乗っ取られそうだった
そんなとき、タイミング悪く他の喰種達が背後に現れる
「ヒヒッ、何だコイツ勝手に弱ってるぞ」
「やっちまえ!」
今にも襲い掛かってきそうなのが分かった
(どうせこの体のままなら、コイツらに殺されて死んだ方がマシだ…)
〝何言ってるのよ、あなた…。そんなに喰べたくないなら、あたしが代わりに喰べてあげるわ〟
そして、喰種達の攻撃が私を襲う一歩手前
「あたし今…すごくお腹がすいてるの…。ねぇ?」
思いっきり後ろに首を捻らせ、笑いながら“誰か”がそう言った