第21章 約束
「申し訳ございません。生憎、アリス様はお忙しい身、貴方達と遊んでいる暇などないのです。早々に、我々に降伏して頂きたい」
「執事風情が何抜かしてやがる! 本物の天使なら……驚異的な治癒力を持っているはず。確認させて……もらうぜっ!!!」
「セバスチャン!!」
「行きますよ、クライヴさん」
「指図されたくないですね……姫様は私達から離れないで下さいね」
「ちょっと……!?」
二人はアリスを守りながら、襲い掛かる連中を払う。鉄パイプを持っている輩も、纏めて。アリスも銃を構え応戦する。
「くっ、このままじゃ埒が明かないわよ!?」
「そのようです……ねっ!」
前方の奴らを力でねじ伏せると、セバスチャンはアリスの手を取り走り始める。クライヴもその後に続く。
「何処に行く気!?」
「このまま突っ切ってしまいましょう! これがダンジョンならば、更に奥に黒幕がいるはずです!」
「でも……っ」
「逃がすな! 追え!!」
敵の巣窟、そう易々と前には進めない。クライヴは足を止め、ゆっくりと構えた。