第21章 約束
「地下にすぐ降りて、目の前に扉。これは何かのダンジョンかしら?」
「ならばその先にボスでも待ち構えているのかもしれませんね」
「姫様にお怪我などさせません。私達にお任せを」
「……ノリがいいわね、あんた達」
ゆっくりと扉を開けると、工場のような施設が視界いっぱいに広がる。機械が動いている音が響いている。どうやら、未だ使われているようだ。
「おお、待ってたぜ……俺らの天使」
「なんですって?」
一人の男が、前方から姿を現す。アリス達を囲む様に、沢山の人の気配が一面に取り巻いている。まずったかもしれない、と思い始めていた頃……男は嬉しそうに話し始める。
「待ってたぜ! アリス・ヴァインツ。行方を捜していたんだが、どうにも手がかり一つ見つからなくてな……それもそうだな。裏社会で生きる人間なら、容易に探し出せなくても仕方ない!! だが、ついにこの日が来たんだ……お前はあの時作られた最高傑作の天使だっ!」
「……っ」
「アリス様、下がって」
セバスチャンは自らの背に、彼女を隠すと不敵な笑みと共に奴らに言葉を贈る。