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黒執事 Blood and a doll

第21章 約束



「ここから先は私にお任せ下さい。どうぞ、お二人は待機を」

「貴方の指図は受けないわ。行くわよ、クライヴ」

「はい、姫様」


 先陣を切る彼女に、呆れ気味に溜息をつくと、セバスチャンは二人の後を追いかけた。中は廃墟というだけあり、内部は所々壁が壊れ、さび付いている。


「どうやらここは、以前病院だったみたいね」

「廃病院ですか……なかなかの雰囲気があって恐ろしいですね。ゾンビでも出たりしないでしょうか」

「ゾンビなら、あの時の船の戦いの時だけで十分だわ」


 それもそうか、とセバスチャンは辺りを見回した。人の気配を探る。悪魔である彼だから出来ることで、同じく悪魔であるクライヴも同じように気配を探っていた。


「姫様、この建物。どうやら地下まで繋がっているようです。下に行けば行くほど、人の気配が濃いように思います」

「私もクライヴさんと同じ意見です。どうしますか? 向かいますか」

「行くに決まってるでしょ! 私に着いてきなさいっ」

「……それはまた、不安な先導ですね」

「文句ある?」

「ありませんよ、アリス様」


 足元に適度な灯りがない為、気を付けながら進む。階段を降り、地下へと向かう。一番前を歩くアリスは、地下への階段を降り切ったところで目の前の大きな扉を眺めていた。

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