第11章 確かめたい、確かめて、
「……エルヴィン、」
「俺が君を束縛するような
態度を取るのがおかしいんだ。
酷いことをして悪かった……
もうこんな真似はしない。」
急いで凛の言葉を遮り、髪をそっと撫でる。
彼女はきっと俺に優しい言葉を
掛けてくれようとしたんだろう。
穏やかな声色を聞き、
すぐに察することができた。
だが、俺は凛に暖かい言葉を
掛けてもらえるようなことをしていないし、
そんな言葉を貰えるような人間じゃない。
……ただの嫉妬深くて自分勝手な男だ。
今までこんな感情なんて
生まれたことがなかったから
この感情の発散法を間違った。
……これは言い訳以外の何ものでもないが、
勿論、事実でもある。
初めて抱いた強く荒々しい嫉妬の感情が
自分の理性をいとも簡単に崩壊させた。