第11章 確かめたい、確かめて、
しばらくの沈黙の後、
凛はゆっくり口を開く。
「……私もエルヴィンの心配くらいさせてよ。」
凛の目は真っ直ぐに自分に向いていて
その瞳を見入っていると、いっそのこと、
その中に吸い込まれてしまいたいくらいの
気分になってしまう。
それくらい彼女の瞳が、言葉が、
とても綺麗で、魅力的に感じた。
「……ありがとう。」
それだけ言ってそっと凛を抱き寄せると
間を置かず、背中に凛の手が回る。
凛の手のひらはかなり熱く、
俺の突飛な行動に
相当気が動転した結果であることは
容易に察しがついた。