第98章 期待
「これ、凛に聞くことじゃないか……」
「うん……
まぁ、聞きたい気持ちは分かるし、
むしろ私も聞きたいくらい。」
「……凛が聞きたいくらいなのは
ダメだろう。」
「そうなんだけど……
もうね、ほんと色々分かんなくて。
……これ、一生結論出なかったら
どうなると思う?」
「俺は一生でも待つけど。」
少しの間も置かず、即答され、
瞬間的に熱が顔を覆う。
「そのくらい、凛が好きだよ。」
「……モブリット、だめです、そのキャラ……」
出会ったばかりのモブリットは、
絶対こんなことを言いそうになかった。
と言うか、
言わないと確信を持って言えるくらい、
硬派で、甘い言葉とは程遠いイメージだった。
きっと兵団のみんなは
今もそう思っているだろう。
そんなイメージとはかけ離れたモブリットを
自分が独占している事実は
何とも言えないこそばゆい嬉しさのような、
複雑な喜びの感情を生み出した。