第11章 確かめたい、確かめて、
「そうじゃない。
……乱暴な真似をして悪かった。
俺は君に対して過干渉過ぎるようだ……」
エルヴィンは握った凛の手を引き、
凛を起き上がらせた後
ゆっくり立ち上がった。
「自分の部屋に戻ってくれていい。」
ベッドルームから出て行こうとする
エルヴィンの腕を咄嗟に掴む。
何て声を掛けるかなんて考えていなかったけど、
今エルヴィンを一人にするべきではない
その思いだけが強く心にあった。
「……凛?」
「エルヴィン、私、もうちょっとここに居る。」
エルヴィンの声と自分の声が重なると、
エルヴィンの頬が少し緩んだ。
でも、それが作り笑いなのはすぐに分かる。
「……大丈夫だ。
逆に心配させてしまったようですまない。」
相変わらず心の中を
見透かしたような声を掛けられ、
一瞬エルヴィンの腕を掴む力が緩まるが、
すぐに再び力を入れ、自分の方へ引き寄せた。