第11章 確かめたい、確かめて、
エルヴィンの大きなため息が聞こえた後、
心なしか腕を掴まれる力が弱まった気がして
恐る恐るエルヴィンに視線を向ける。
「……君はいつも無防備すぎるし、
警戒心がなさすぎる。
こんな時間に外を出歩くのは
お願いだからやめてくれ……」
そう言ったエルヴィンの顔は
苦しそうにも悲しそうにも見えて、
胸が締め付けられるような鈍い痛みが
心の奥に奔った。
「……心配かけて、ごめん。」
それ以上何と声を掛けたらいいのか分からず、
それだけ言って再び口を閉ざす。
すると腕が解放され、
エルヴィンの匂いが遠ざかった。
「俺の方こそすまなかった。
……かなり冷静さが欠けていたな。」
「いや、私がこんな時間まで
フラフラしてたことに問題があるから。
エルヴィンが謝ることじゃ」
そう言いかけて、そっと手を握られ、
言葉を止める。